ゲームな"らいらぎ"ドットを添えて

ゲーム制作備忘録、撤退しない予防線

たいふーん0920

まず始めに、こんな場末のブログを見ている人がいるかどうかは甚だ疑問ではあるが、

もしいるなら読む前に一言言っておきたい。

 

今回の台風16号で何かしらの被害を受けた方にはまず間違いなく不快な気持ちを与えてしまう。

不謹慎とも言えるだろう。

そう感じるかもしれない人は読まないで欲しい。

 

なぜなら今私の中には台風に対してプラスの感情しかないからだ。

 

 

さてでは言いたい事がある。

台風よ、私は久方ぶりに君に感謝をしてしまった。

初体験である。台風のおかげで私は人生で初めての体験をした。

 

そう、職場が午前で休業になったのである。

 

これは奇跡だ。奇跡としか言いようがない。

普段の行いの成果がでたとしか考えられない。

 

朝から雨がザンザンぶり。

暗澹たる気持ちで靴や服を濡らしながらたどり着いた職場は、

私と同じ表情の同僚で埋め尽くされていた。

外は暗く、廊下も暗い。

皆心は同じだ。

台風消えろ。

 

そりゃそうだ。台風が我々にくれるのはいつもつらい出勤と濡れた手足だ。

マイナスでしかない。

雨は普段より強く風も普段より強く。

それだけだ。

昼が近くなり弁当を買いに行くのも億劫にする雨を窓から皆で眺めながらため息を漏らす。

 

そんな時に内線がかかって来た。

部長からだ。

おいおいなんだ?こんな日に外にはでたくないよ?

そう思いながらとった受話器の向こうから聞こえて来たのは意外な一言だった。

「午後から無し」

平坦な声でそう告げられた私は一瞬固まった。

当然だ。

そんな事今まであり得なかった。

何があったのか?事故か、事件か、行政か。

明確な理由を告げられないまま、すぐに電話は切られた。

受話器を持ち、固まっている私を他所に、職場に喜びの声が響き渡った。

「おい!メール見てみろ!帰れるぞ!」

同僚の心からの笑顔だった。

 

そう、ただこれだけ、文字にしてしまえばたったこれだけの事なのだが、

職場はカープが優勝したときの広島県民のごとく沸き返った。

歓声だ。ガッツポーズだ。

すぐ近くでPCがシャットダウンされている。

速い。

十分もしないうちに全員が帰り支度を済ませていた。

さようなら!

こんな元気なさようならは小学校低学年以来聞いた事がない。

私の文章力ではこの感動を伝えきれないのが残念だが、

とにかくロケット打ち上げ成功のごとく場は盛り上がり、

すぐに誰もいなくなった。

守衛は苦笑いで手を振ってくれた。

そう、彼らは台風の恩恵を受ける事が出来ないのだ。

しかし私は帰れる。帰れる。帰れるのだ!

 

私も家まで帰るのが待ちきれず、

普段はポッポとコラッタを捕まえるしか能がないスマホでせこせこ文字を打っている。

 

いつもは今年最大とか、類を見ないとか、

ひたすら大仰な事を言われながらも私を家に帰すまではしてくれなかった台風。

分かっている。

奴は基本的には敵だ。我々を苦しめ、自由と体力を奪う。

味方のような振りをしていつも被害だけをばらまく敵だ。

だが今日だけ、今日だけは申し訳ないが、感謝の気持ちが湧いて来るのだ。

 

だから一言だけこういうのを許して欲しい。

 

ありがとう。私、家に帰れたよ。